早稲田 2022.2.28
(東京都新宿区早稲田、都電早稲田駅付近)
1980年代、早稲田には友達が何人かいて、飲んだり喋ったりバンドして遊んだりと楽しい日々を過ごしたのを思い出す。
80年代は、四畳半アパートに住む貧乏な男が主人公の『どくだみ荘』という漫画が流行っていた。東京・阿佐ヶ谷が物語の舞台で、綺麗事など書かず、風俗やサブカルチャーなどを扱っていた。自分たちも貧乏でも好みを共有し、それなりに楽しく暮らすというところでその物語に近かったなと思う。
早稲田のぼろぼろの二階建てのアパート(高田馬場駅寄りだった)、10部屋位あったと思うが、 炊事場が共同だから住人同士で仲良くなったり、そこに住む友達は、 別の部屋が空けば自分の友達を入居させ、それを何回か繰り返し、 アパートに住む半分位は親しい隣人となり時々どこかの部屋で(近所に住む友も来て)宴会をした。 私は別の所に住んでいたのでたまに加わり、飲みに行ったりバンドをやったりだった。
一番身体の大きい友はそのアパートの3畳の部屋に住んでいて、何故か狭い彼の所に5,6人集まって飲食をすることが多かった。彼は料理が上手く一番歳上だったということもあったかもしれない。それにフルタイムで働いていた。その他の友は、アルバイトをやったりやらなかったりで常にお金はない状態だった。
そんな当時の早稲田を思い出しながら散策した。
始めて早稲田という所に足を踏み入れた時は、周りにあるアパートには、全て早稲田大学の学生が住んでいるのではないかという錯覚にとらわれたが、そんなことはないのである。普通の街並み、商店街があった。でもその頃あまり風景を見ていなかったように思う。
わりと坂が多いなぁ、疲れたので帰ろう。
神奈川県川崎市多摩区、中野島駅周辺
以前から気になっていたチェコアニメ。 最近チェコの街並にも興味が沸々と湧いてきて、何かチェコのものにふれたいと、 チェコアニメのグッズなどを販売しているお店、中野島駅すぐそばにある「チェコ・チェコランド」に行く。 店舗は集合住宅の一階にあった。 入口に近付くと中にはカーテンが引いてあり「お休み?」と思ったがお店のTwitterにはこの週末は営業するとあったので更に近づいてよく見ると「Open!」の札が確認できた。少し躊躇したがガラスドアを開け入って行く。
中にいた方に「見せて下さい」と言いながら目を合わせお辞儀をする(互いにマスク姿)。私のほかに客はいない。 店内には可愛いキャラクターのタオル、サイフ、キーホルダー、メモ帳などのグッズが陳列している。特に髪の長い女の子のキャラクターグッズが多い。店の方がその女の子は「アマールカ」だと説明してしてくれた。(嗚呼、私はチェコアニメの予備知識なしで来てしまった)。
店主は他にも色々と説明してくださった。折角来たのだから何か記念に買って帰りたいが、普段可愛いキャラクターグッズは持たないので商品を隈なく見渡したが決められない……。小さなバスケットにハンドタオルが「最後の一枚、500円」というポップとともに置いてあるのを見て手に取る。厚手のしっかりとした作りだったのでこれなら家で使えると思い、少し奥まった所にいる店主に「これください」と差し出した。
代金を支払いながら店主の左側壁に掛かった絵が目に飛び込んできて一目でこれ、好きだ!と思い「この絵は売り物ですか」と咄嗟に聞いた。 「ああ、これは売り物ではないんです」と店主。 売り物であっても私に買えるわけないのだが、一目で気に入ったのでつい聞いてしまったのだ。「ああ、そうですか。何という画家が描いたのですか?」と私。店主「〇〇〇〇〇〇という画家です」。
壁に掛かっている他の絵を見渡しながら店主は、私の気に入った絵をさし、「この絵だけ原画なんですよ」と……。 私は益々ドキドキしてくる。私って絵を観る才能あるのかしらんと小さく胸の中で思う。
そういえば、この店に入ってきてから店主が奥の方で忙しそうにグッズの整理などしているようだったのでそちらには近づかず、手に取ったタオルを店主のいる方に持っていった時、店主の周りや奥の方にもたくさん商品があるのがわかった。絵画や絵本、DVDやグラス。どっちかといえばこちらの方が興味あったかなぁ…。しかし今日のところは拝見するだけで帰ろう。
精算が終わってからも盛りだくさんの絵や絵本、チェコアニメ、チェコの街並の話まで聞かせてくださり満足して店を出た。店主の話は始終面白かったが、途中私は気になる絵の作家名を忘れ、話の途中もう一度聞き直した。しかし店を出た後、なんだか店主の話に圧倒され作者名は吹っ飛んでいた。
今日、中野島駅に着いたのが午後2時過ぎ。本当は昼ぐらいにはこの界隈に来て暖かいうちに散策もしたかった。時間は既に夕方4時過ぎ。冬のこの時間帯は天気は良くてももう暖かさはない。しかし店主の話が面白かったので気分はいい。
多摩川が近いのはわかっていたので少しだけ歩いて川を見下ろせる遊歩道まで歩く。遊歩道では散歩やジョギングを楽しんでいる人々がいる。その人たちの邪魔にならないように道の内側ギリギリのところに立ち、多摩川と河川敷を見渡していたら今日の競馬G1フェブラリーステークスを思い出し、パットを開き結果を確認する。「あ〜はずれかあ、エアスピネルの複勝買っておけばよかった」と心の中で呟く。そこに15分ぐらい居て家路に着く。
その夜、チェコ・チェコランドのこと、店主のことなど再検索する。チェコ・チェコランドは(株)アットアームスが運営するお店で、 チェコアニメ(上映・放送・DVD出版など)のライセンスを300弱も持っているという。 チェコ・チェコランドにいたのは眞部学さん(たぶん……)。その精力的な仕事ぶりが窺える。それから私は今日出会って2度聞いても頭から吹っ飛んでしまったお気に入りの絵の作者を検索しまくるのだった。[2021.2 記述]